中学生を対象として認知的ソーシャルキャピタル(以下認知的SC)、および構造的ソーシャルキャピタル(部活動を含む学校内活動と学校外活動への参加)が、ストレス反応を抑制するかについて男女別に検討した。また近年の中学生における情報機器の普及に伴い、ICT機器使用とSCの関連を探索的に調べた。認知的SCに関して、「社会的ルールの遵守」「社会的信頼感」「互恵性」の3因子が抽出された。男子のみ学校内外の活動への参加と「互恵性」に正の相関が認められた。女子は、「互恵性」の得点が有意に高く、学校内の活動に積極的に参加していた。全てのストレス反応の抑制に、構造的SCよりも認知的SCの下位因子が有意に関連があった。またパソコンと携帯(メール)の不使用群が認知的SCにおいて有意に高い得点が認められた。認知的SC項目の「社会的望ましさ」による評定の問題、中学生の生活実態に合った構造的SC項目の設定、SCとストレス反応に関する性差、SCとインターネット使用の影響に関する問題について検討された。