Author ; Author ; Author ; Author ; Author ; Author ; Author ; Author ; Author ; Author ; Author ; Author ; 東京 ; 症例 ; 神経芽腫の一剖検例について検討した.症例は1歳女児.両足の動きが悪いことを主訴に受診され,精査の結果,神経芽腫と診断された.化学療法を施行し,腫瘍は一時縮小傾向を示したが,骨髄抑制中の感染により永眠した.直接の死因としては,死亡当日に著明な腹部膨満が出現し,腹部computed tomography(CT)検査で門脈ガスを認めていたことや出血斑が数時間で拡大したこと,入院途中から示していた高血圧が急激に低下したことから,腸管感染症による敗血症性ショックが考えられた.本症例の臨床的問題点として,①神経芽腫の病期決定,②経過中の血圧上昇について考え得る病理組織学的所見,③高カテコラミン血症を呈していたことによる心臓の病理組織学的所見,④病理組織学的所見から推察される死因と考え得る原因菌について,⑤腸管の病理組織学的所見についての5つを挙げ,討論を行った.