本研究の目的は, 降雪地域に暮らす糖尿病患者の冬季の運動療法実行の程度と運動療法への自己効力感の程度を明らかにし, 降雪地域における冬季の運動療法実行への看護支援について検討することであった. 研究対象は, 新潟県A地域に在住しており, A地域の3施設の外来に通院する2型糖尿病患者で, 研究に同意・協力の得られた92人であった. 運動療法実行の程度は, 身体活動量計で測定された歩数とMETs・時とした. 調査は, 同意の得られた対象者に身体活動量計を手渡し10日間装着後, 郵送で回収した. 測定されたデータのうち後半7日間の歩数の平均値を分析した. METs・時は, 厚生労働省では基準値を7日間の合計で示しているため, 本研究においても7日間の合計を集計した. 運動療法への自己効力感の程度は, 身体活動量計装着後に運動セルフエフィカシー尺度を記入してもらい回収した. 結果, 身体活動量計は92人に手渡し88人(96%)から回収された. 対象者の性別は男性54人(61%), 女性34人(39%)で年齢は平均63.7±9.5歳であった. 歩数とMETs・時の平均値±SDを分析した結果, 歩数は4552±4199歩, METs・時は29.4±24.6(METs・時)であった. 男性の歩数は4585±4944歩, 女性の歩数は2909±1642歩であり, 男性の平均歩数が女性より有意に多かった(P