学校教育では、子どもが自ら課題をもち、主体的に取り組むことができる体験活動やものづくり教育の充実が重要視されている。義務教育段階では、ものづくりや技術そのものについて学ぶ教科は中学校技術・家庭科の技術分野しかないが、ものづくりを取り入れている教科等には小学校の生活科や図画工作科、理科、総合的な学習の時間などがある。これらの教科等でのものづくりは、子どもの興味・関心や意欲などを考慮しているものの、ものづくり自体はそれぞれの目標を達成するための手立てと考えられている。そのため、ものづくりが本来内在している、子どもの発達を促す教育効果を十分に発揮しているとは言い難い。本研究では、ものづくり教育を子どもの発達の視点から捉え直すことで、子どものものづくりへの興味・関心を高め、継続的な発達を促すとともに、さらにそれぞれの教育目標をより良く達成することができるものづくり教育を提案し、検証する。