京都産業大学では2007 年度よりPBL(Project Based Learning、課題解決型授業または課題解決型学習)科目を開講し、学生の社会人基礎力 ―社会で求められる態度やスキル― の向上をはかってきた。本科目は学生の自主的な活動を促進するよう工夫され、グループ学習の習熟度に合わせた階層型構造をもつ点や、実社会で人材教育・採用業務を経験した人事実務家と本学専任教員との複数教員による運営体制が特徴である。近年、大学教育においては、知識伝達・蓄積型の学習に加え、体験や課題解決活動、プロジェクトから学ぶ「能動的学修」の導入が進んでいる。一方で、「能動的学修」において、学生の成長を最大化するために求められるものについては多岐に渡り、未だ研究の余地が残っている。本稿では、主体性の高い学生と主体性の低い学生との比較を通し、「能動的学修」において学生の成長を最大化するための要諦を、企業内研修や一般社会人向けの能力向上に関する教育も手掛ける人事実務家教員の視点から考察し、今後の「能動的学修」の課題と可能性について言及した。